魔女の一撃
ぎっくり腰。
重い物を持ち上げたときなどに急にくる腰の痛み。私もついさっきなったばかり。
ぎっくりはびっくりから来ているらしい。
江戸時代にはすでにあったことばなのだとか。
なった瞬間確かにびっくりする。
立ち上がれなくなるし。
ドイツ語では
Hexenschuss
というそうで、直訳すると
魔女の一撃
ということになる。
魔女ということばが出てくるあたりいかにもヨーロッパといった感じがして面白い。
もし日本語のぎっくり腰と同じ感覚だとすると、魔女の一撃はびっくりするもの、つまりは想定外の行動ということになる。
追われる者からの反撃を考えていないのか、反撃する余裕もないほど苛烈に弾圧を加えていたのか。
ぎっくり腰が随分と大きな話になるものである。
語る
五つの口で言う。
一体何を指して五つの口なのだろうか。
五人いれば口は五つ。
でも、一人でも"語る"ことはできる。ナレーションだってそうだ。
語るということばは相手の存在を意識してはいるけれど、相手が聞いているかどうかは関係ない。
学校で校長先生が生徒の前で語る。全員が耳を傾けているわけではない。早く終わらないかなと思っている生徒もいるだろう。
語ることはおしゃべりとは違う。言葉を発する者に焦点があたっている。
それならば、五つの口も言葉を発する者が全て備えていると考えるのが妥当だろう。
一つは文字通り「口」。
一つは「目」。目は口ほどにものを言う。
一つは「手」。身振り手振り、ボディランゲージ。手話も手を使って語る。
一つは「背中」背中で語る。
あと一つが思い浮かばない。