コトバ研究所

言葉って面白い

二者択一

中学生が使う歴史の教科書を見る機会があった。

 

懐かしさとともに私の心にはなんともいえないもやもやが残った。

 

絵踏。

 

この言葉を目にしたときだ。

 

江戸幕府が行ったキリスト教徒を見つけ出すための行為だ。

 

私が中学生のころは踏絵と教科書に書かれていた。

 

別に子供の頃と表記が違うからおかしい!と文句を言っているのではなく、単に熟語として気持ち悪いのだ。

 

熟語の構成には

1 似た意味の語を合わせたもの 例 温暖

2 反対の意味の語を合わせたもの 例 多少

3 主語と述語の関係になっているもの 例 日照

4 上の語が下の語の修飾語になっているもの 例 高山

5 下の語が上の語の目的語になっているもの 例 入場

6 接頭語、接尾語のついたもの 例 未完 詩的

の6つがあったと記憶している。

 

絵踏という言葉はそのどれにも当てはまらないのだ。

 

「絵が踏む」でないのは明らかであるし、「絵を踏む」という意味で使うのならば、従来どおり踏絵でいいはずなのに。

 

一体なんの理由があってこんな無駄な変更を?と思ってしまった。

 

目的語が上にくる熟語は他にもあるのだろうか。