語る
五つの口で言う。
一体何を指して五つの口なのだろうか。
五人いれば口は五つ。
でも、一人でも"語る"ことはできる。ナレーションだってそうだ。
語るということばは相手の存在を意識してはいるけれど、相手が聞いているかどうかは関係ない。
学校で校長先生が生徒の前で語る。全員が耳を傾けているわけではない。早く終わらないかなと思っている生徒もいるだろう。
語ることはおしゃべりとは違う。言葉を発する者に焦点があたっている。
それならば、五つの口も言葉を発する者が全て備えていると考えるのが妥当だろう。
一つは文字通り「口」。
一つは「目」。目は口ほどにものを言う。
一つは「手」。身振り手振り、ボディランゲージ。手話も手を使って語る。
一つは「背中」背中で語る。
あと一つが思い浮かばない。